誰にでもあるであろう心の闇を誰にも言えず背負い込み、ふと歩みを止め人生を振り返って大切な事は何か、自分の本当に好きな事は何かかを見つけるために、またそれを忘れないように書き綴ったブログです

心の闇から見えた人生の履歴書とその哲学

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暗黒の幼少期(3話)

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夜逃げ

 

珍しく家に帰ってきた父は

帰ってくるなり荷物をまとめるように指示してきた。

ベッドやおもちゃなどは持ってはいけない

そう言われた。

夜中に荷物を積み込むと

飼っていた犬のリードを父が外し、

そのまま出発した。

 

しっぽを振って健気に追いかけてくる犬。

バックミラーから姿が徐々に

小さくなって行くのが見えた。

 

市営住宅

 

駅からほど近いボロボロの市営住宅。

3階建ての3階部分、トイレは薄汚く

風呂は設計ミスなのか各戸毎、

外に小屋が建っていた。

 

幸いにも学区内であったため

転校する必要はなかったが

陰湿ないじめはずっと続いていた。

 

母は執念で居場所を突き止め

たまに食料を運んでくれた。

夜になるとコンクリートの壁中に

ゴキブリがはりつく

劣悪な住環境だった。

 

極貧生活となり、

いつ食料がなくなるかわからない。

僕はストレスで過食症になった。

 

電気・ガス・水道は使用料金未払いで

度々止められた。

夏ならなんとか乗り切れるが

冬は、市営住宅がコンクリートむき出しで

とんでもなく過酷だった。

 

マイコプラズマ肺炎

 

10歳になると、

ネガティブが感情が常に自分を支配し

負の願望が芽生え、

自分ではどうする事もできないでいた。

病は気からと言う通り、

40℃前後の熱と激しい咳が出てからは

呼吸がままならないほど苦しい。

 

病名はマイコプラズマ肺炎

即、入院が決まった。

きっとこのまま天国へゆくのだろう。

もう失うものなんて何もない。

点滴の管へ自分の赤い血が

逆流していくのをただ眺めながら意識が薄れてゆく。

不思議と恐怖はなかった。

僕はつかの間の眠りについていた。

 

Nend B2


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